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借金依存症とギャンブル依存症

借金やギャンブルをやめたくてもやめられない、生活に問題が起きている...そういった場合は借金依存症やギャンブル依存症かも知れません。

依存症は、怠けなどではなく精神疾患です。

この記事では、心理学部を卒業しメンタルケア心理士の資格を持った筆者が信頼できる情報を厳選し、借金依存症やギャンブル依存症について解説していきます。

治療法や家族にできることも紹介します。また、借金や多重債務についても、家族が肩代わりしたりすぐに債務整理などの手続きをとると依存症を悪化させる可能性もあります。

借金依存症やギャンブル依存症によってできてしまった借金をどのように解決していけばよいのかもこの記事で説明しています。各相談機関の案内も載せていきますので、専門家の力もぜひ借りるようにしてください


依存症とは

依存症になると、やめなくてはいけないとわかっていてもやめられないといったように自分をコントロールできなくなってしまいます。


また、普通の生活を行うことができなくなってしまう病気でもあります。アルコール、タバコ、薬物、ギャンブル、買い物、借金...様々な物事への依存症がありますが、やめられないのは本人の気持ちが弱いから、怠けているといった偏見を持たれてしまうこともあります。

決して本人の怠慢というわけではなく、病気であるという知識を持つ必要があります。

平成 30 年 10 月からギャンブル等依存症対策基本法が施行され、政府としても対策に本腰をあげたようです。

これからは、ギャンブル施設の宣伝の抑制やギャンブルなどの依存症からの回復支援がより強化されていくでしょう。

依存症の原因

依存症の原因は、脳にあるといわれています。ギャンブル、借金、買い物、アルコール、タバコなど、繰り返すうちに少しでは満足できない状態になっていきます。これは、脳の側坐核(そくざかく)という部位に異常が起きているからです。


また、依存症が続くことにより意思決定などを司る前頭前野の機能が低下し、依存しているものだけに対しては過敏に反応するものの、他の趣味や娯楽といったものには反応が鈍くなってしまいます。

これが、本人の「やめよう」という気持ちだけではやめるのが難しいという依存性の症状につながっています。

とはいえ、ギャンブルや借金をしたすべての人が脳に異常をきたして依存症になってしまうわけではありません。

依存症になりやすい個人の要因や家族や社会環境があると考えられています。

ギャンブル依存症を例にすると、個人的な要因でいえば、日常生活に充実感を感じられなかったり、自分はだめだという感覚を持っている方、負けず嫌いであったり、落ち着きがない方、衝動性が高い方や、うつ病や境界性パーソナリティ障害などの心の病気を持っている方がなりやすいといわれています。

家族要因でいえば、親がギャンブルをしていてギャンブルが身近なものであったり、ギャンブルなどで家庭が正常に機能していない場合にその家庭で育てられた子どもは心に問題を抱えて大人になることもあり、依存症になりやすい個人的な要因をもつことになります。

また、社会的要因で考えると、パチンコなどのギャンブル施設はどこにでもありますし、ギャンブルではないもののギャンブル的な感覚で株やFXといった取引も簡単にできます。そうしたギャンブルを手軽で簡単にできてしまう世の中であることも依存症を引き起こしやすくする原因になっています。

どのようにして依存していくのか?

依存症は、ある日突然なるといったものではありません。


ギャンブル依存症の例で考えると、最初からギャンブル依存症になるためにギャンブルをする人はいないですよね。

最初はだれしもギャンブルを娯楽として始めるはずなのに、いつの間に依存症になってしまうのでしょうか。

そこには必ず依存していく「過程」があるようです。

単なる娯楽からギャンブル依存症へと移行していく段階では、

・ギャンブルによってもたらされる「ギリギリ感」への興奮を求めるタイプ
・嫌なことから逃避するためにギャンブルをするタイプ

2つのタイプに分かれるようです。

勝つか負けるかドキドキ感が好きとか、仕事でのストレスをギャンブルで忘れるとか、このあたりは想像がつきやすいのではないでしょうか。

しかし、ギャンブルはいつでも勝てるわけではありません。

ギャンブルをたくさんしていると、当然ですが勝つことよりも負けることのほうが多いです。これが「敗北の段階」です。

敗北の段階では、負けを取り戻そうとまたギャンブルをし、賭けるお金を増やしたりすることもあります。借金を繰り返し、ギャンブルのためのお金を得るために嘘をついたりすることも多々あるそうです。

この段階になると、ギャンブル依存症かもしれないと周りの人は気がつくかもしれませんね。

最後の段階は「自暴自棄の段階」です。ここまでくると、借金の返済に追われるあまり自暴自棄になり、横領などの犯罪に手を染めてしまったり、ギャンブルに使えるお金がなくなるとパニックを起こしたり、不眠や抑うつ状態、最悪の場合は自殺を考えるようになることもあるそうです。

できれば、このような段階になってしまう前に手を打ちたいですね。

ギャンブル依存症とギャンブル好きの違いは?

ギャンブル依存症と、ギャンブルが単に好きな人の違いは何なのでしょうか?


以下に「ギャンブル依存症から抜け出す本」(監修:樋口進)よりギャンブル依存症の人の特徴を抜粋しました。

もし、当てはまる項目が2個以上あればギャンブル依存症の可能性があります。

・勝ちだすともっと勝てると思う
・負けた分を取り返すまで続ける
・負けたのに「勝っている」と嘘をつく
・当初の予定よりも多くの金額を使ってしまう
・ギャンブルをめぐって家族と口論になる
・景品や馬券などギャンブルの証拠を残す
・ギャンブルのために借金をする
・家族のお金を無断で使ったことがある
・ギャンブルのために万引きなどの違法行為をしたことがある
・嫌な気分になるとギャンブルをしたくなる
・「やめよう」と決心して家族と約束をしてもやめられない
・ギャンブルのために学校や仕事を休むことがある
・「このままではいけない」という意識がある

単にギャンブルが好きという人であれば、お小遣いの範囲内で適度に楽しむのにとどめ、家族のお金を無断で使ったり、違法行為をしたり、「やってはいけないこと」や家族を悲しませるようなことをしてしまうことはありません。

借金していないと不安な借金依存症

借金依存症は、借金をしていないと不安になったり落ち着かなくなってしまう依存症です。普通の感覚では、借金があると不安になりますが、借金依存症の場合は逆なので少し不思議な感じがしますね。


借金依存症は、借金そのものが好きというよりも、買い物やギャンブルなどお金が必要な遊びが好きで、すでに買い物依存症やギャンブル依存症などを発症しているケースもあります。

ストレスを発散するために高額な買い物をしたり、ギャンブルをしたりするうちに資金がなくなり、最初はカードローンなど少額の借り入れから始まるものの、感覚が麻痺していき、より高額な借り入れを繰り返していきます。

それでいても「まだ返せる、自分は大丈夫だ」と思い込んでいるのが特徴です。

また、お金を借りられるということは、社会的信用があるということだと考えて、借金を自分への自信の拠り所としている面もあります。

そのことを考えると、借金ができなくなると自分の自信を崩されてしまうので不安になってしまうということにも納得がいきますね。

以下は、借金依存症のチェックリストです。

kaimonorouhi.jimdo.comより引用しました。


・あなたは強迫的な買い物・浪費・借金に対し自分自身ではどうにもならないと考える事がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金に対して降参したらその方があなたは幸せだと思いませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金をいけないと思って止めようとしたり、制限しようとした事はありませんか?
・悩みや不安やトラブルから逃げようと強迫的な買い物・浪費・借金をしてしまう事がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のために仕事や学業がおろそかになることがありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のために家族が不幸になることがありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金をしている時に大きな優越感や陶酔感を感じる事はありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金の後で罪悪感や自責の念や落ち込みを感じる事がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金の刺激があなたをコントロールしていると感じる時がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金の後ですぐに強迫的な買い物欲求にとらわれる事はありませんか?
・強迫的な買い物・浪費をしても開封しなかったり使用しなかったりする事がありませんか?
・次から次へと強迫的な買い物・浪費・借金をしながらも何故か空虚感が消えない事がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のために不眠になったり、能率や集中力を低下させていませんか?
・一文無しになるまで強迫的な買い物・浪費をする時がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金(返済)の資金を作るために自分や家族の物を売る事がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金の支払いのために正常な支払いが出来なかった事はありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のために不相応な負債(カード・ローンなど)がありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のための負債(カード・ローンなど)の支払いを工面するのが困難になった事はありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金のため法律に触れる事をしたとかしようと考えることがありませんか?
・強迫的な買い物・浪費・借金をし続ける時、あなたは悪い環境の方に向かっていると思いませんか?

やめようという気持ちはあるのにやめられない、症状が進むと通常の社会生活が困難になったり、家族に悲しい思いをさせてしまったり、法律に触れることまでしてしまう...といったことが依存症に共通しているようですね。

借金依存症やギャンブル依存症がもたらす問題

借金依存症やギャンブル依存症になってしまうと、本人だけでなく家族も様々な問題を抱えることになります。


本人に起こる問題と家族に起こる問題をそれぞれ考えていきましょう。

本人の心身に起こる問題

依存症になると、依存する対象物にのめり込みすぎて食欲すら感じなくなってしまうことがあります。その結果、栄養不良や肝機能障害を起こしてしまったり、うつ病やアルコール依存症などほかの精神疾患を併発することも少なくありません。


行動面では、借金依存症やギャンブル依存症の場合、症状がまだ進んでいないうちは借金返済やギャンブルをするために仕事をしますが、症状が進むにつれて次第に仕事もやる気がなくなってきてしまいます。その結果、欠勤を繰り返して解雇され失業するといったことも珍しくありません。

すると、収入源がなくなってしまうので、更に借金を重ねて多重債務に陥ったり、窃盗や横領や詐欺といった犯罪行為にまで発展する可能性も高まります。

こうしたことは本人も「よくないことだ」と自覚はできていたり、罪悪感ももっています。そのため、その感情を忘れようとさらに依存する対象物にのめり込み、悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

そうしたなかでの家族との軋轢や職場での失態、さらには借金の返済がどうにもいかなくなったりして、最悪の場合は失踪したり自ら命を断ってしまうこともあります。

家族の心身に起こる問題

家族が多額の借金をしていて、しかも嘘をついて隠されてきた...家族にとっては当然ショックな出来事です。そこへ、「やめる」と約束しても何度も裏切られるとなれば、家族の方もうつ病や不眠症といった問題を抱えることも少なくありません。


また、明らかに家族が依存症になっているとわかっていながらも、もしかしたら改心してくれるかもしれないという期待や、自分の配偶者や子どもや親が依存症であることが世間に知れたら恥ずかしいという思いも抱くこともあり、家族の心の中も葛藤の嵐が吹き荒れます。

とくに、借金依存症やギャンブル依存症では、借金が膨れ上がり簡単には返せない金額になっていることがあります。

借金依存症やギャンブル依存症によってできてしまった多重債務の問題については本人だけでなく家族もどうすればよいかわからなくなってしまうと思います。

違法な貸金業者から本人がお金を借りていた場合、家族も厳しい取り立てに遭う可能性もあります。本人だけでなく家族もまた失踪や命を断ってしまいたくなるほどまでに追い詰められてしまうのです。

借金依存症やギャンブル依存症の治療

依存症の治療は、まず本人よりも先に家族が動きださなければならないケースもあります。


というのも、家族が「明らかに大きな問題になっている、病気かもしれない」と思っていても、本人は依存症とは思っていなかったり、やめなくてはいけないと思っていたとしてもまだそれほど大きな問題にはなっていないと信じていたりすることが多いです。

本人だけに依存症の治療を任せたり、相談する機会を待っているだけでは解決へと向かっていきません。家族も積極的に治療の援助をしていく必要があります。

まずは保健所へ相談するのがおすすめ

「病気ならまず病院へ行かなくては!できれば依存症の専門医に診てもらおう!」と思うかもしれません。


しかし、いきなり依存症専門の病院へ行くのはおすすめできません。その理由は、依存症ではない別の問題が隠れている可能性もあるからです。

まず、ギャンブルや借金へ依存する前の状態を思い出してみてください。普通の社会生活を送ることができていたでしょうか?

もし、もともと金銭の管理が苦手といった場合には、依存症に見えるだけで、実は依存症ではないかもしれません。

では、どうしたらいいのでしょうか?

ギャンブル依存と生きる 家族、支援者と生きづらさを乗り越えるために』という本の中では、「ギャンブル等の問題が発生する以前の本人の状況を踏まえて、総合的な「見立て」をしてもらえる相談窓口へ行き、まずは本人のアセスメントからはじめるとよいでしょう」としています。

この本の著者である稲村厚さんは、司法書士でありながらギャンブルに問題を抱えている人向けの支援施設の設立から関わっており、精神保健福祉センターなどで家庭教室の講師や個別相談を担当されている方です。

借金依存症やギャンブル依存症などの依存症ではなく、実は発達障害など別の問題を抱えている人に依存症の自助グループなどへ参加させると逆効果になってしまうこともあるようです。

もちろん、病院へ行かなくていい、専門医にみてもらう必要がないといっているわけではありません。でも、その前にギャンブルや借金に依存する前の本人の状況などを包括的に相談できる機関に足を運んでみるといいのではないかということです。

そこで、まず最初に相談するのは身近にありながら幅広い相談ができる「保健所」がおすすめです。

相談は面談による相談だけでなく電話相談も行っており、希望すれば家庭に訪問してもらい相談することも可能です。本人だけでなく家族からの相談も受け付けていますよ。

保健師や精神保健福祉士などの資格を持った専門職の方が対応してくれます。

保健師は地域ごとに担当が決まっていることが多く、相談したい場合は事前に電話などで予約をするとスムーズです。

こちらのURLからお近くの保健所を探すことができます。

保健所以外にも、精神保健福祉センターという施設もあります。各都道府県や政令指定都市ごとに1か所ずつあり「こころの健康センター」と呼ばれていることもあります。

精神保健福祉センターでは、保健所よりも心の健康の相談に特化しており、保健所と同じく保健師や精神保健福祉士などの専門職が配置されています。

本人だけでなく家族からの電話や面談での相談が可能ですが、面談での相談を希望する場合は予め電話で予約をとることをおすすめします。

こちらのURLから精神保健福祉センターを探すことができます。

こちらの検索を使うと、保健所や精神保健福祉センター含め、厚生労働省の基準を満たした相談窓口や医療機関が検索できます。

依存症の疑いが濃厚な場合などは、医療機関を受診できるならしたほうがよいですが、ギャンブルや借金に依存している本人は、本当に依存症であったとしても自分が依存症であることには気づきにくかったり認めたがらなかったりすることもあります。

そこへ「病院へ行こう」なんて言われても、かえって反発したり断固として拒否されることも考えられます。

それよりは、病院以外の相談機関へ相談するほうが本人にとってもハードルが低く同意してくれるかもしれません。

もちろん、「依存症」という「診断」ができるのは医師しかいませんので、医師に診てもらうということは大切なことですし、本人も医師の診察を希望しているのならはじめから病院へ行ってもよいのですが、もともと通常の社会生活に適応するのが難しかった場合などはその旨を初診時に伝えると診断が正確かつスムーズにしやすいと思います。

依存症は具体的にどんな治療をするのか?

治療は、基本的には通院での治療になりますが、抑うつ状態などで自殺の危険性がある場合や通院では治らない場合には入院での治療になることもあります。入院はだいたい2ヶ月くらいで、それ以上長く入院するのも生活に復帰しづらくなってしまうようです。


借金依存症やギャンブル依存症に対して有効といえる薬は今のところありません。

ただし、依存症と併発している抑うつ状態や不眠症、不安症といった症状を軽減させるために薬が処方されることもあります。

薬を使うことには、不快な症状が減るというだけでなく、不快な症状をおさえることで依存症の治療に集中しやすくするといったメリットもあります。

依存症自体への治療としては、集団精神療法、認知行動療法、内観療法などの心理療法が有効とされています。

集団精神療法では、10人前後の小集団を対象として、患者どうしがそれぞれ抱える心の問題を話し合います。

自分の姿を鏡で確認するのと同じように、ほかの患者さんを鏡にして自分の心の問題や自分の物事の感じ方、反応の仕方を客観的に知ることができるようになります。同じような悩みや問題を患者同士で共有することによって、孤独感を和らげることができるというメリットもあります。

集団精神療法は病院で行っている場合もありますが、行っていない医療機関やその頻度が少ない場合もあります。その場合は、自助グループに参加してミーティングへ足を運ぶことで機会を補いましょう。

自助グループには、本人だけでなく家族も同じ悩みを持った人たちが集まります。家族も悩みを吐き出して共有することで気持ちが少し楽になるかも知れません。

認知行動療法は、医師や心理士が主導のもとで、考え方(認知)や行動の偏りを元に戻すために行われます。

一対一で行うこともあれば、患者さん同士で集団で行うこともあります。

病院などによって進め方や内容などは異なりますが、一例としては1時間から1時間半ほどを1セッションとし、6回程度で完了するようになっています。それぞれのセッションで、患者さんは課題に取り組み、宿題も出されます。

課題には

・借金やギャンブルの行動を振り返り、やめた場合のメリットやデメリットを考える
・依存症がどのような病気なのか、自分が病気であることを学ぶ
・借金やギャンブルで使ったお金を計算し、やめると今後10年でいくら貯まるのか計算する
・借金やギャンブルをしてしまうときの出来事、認知、感情、行動を振り返り、別の認知(捉え方)ができないか考えてみる
・気分転換の方法を探す
・思考ストップ法(借金やギャンブルをしたくなったときにその思考を止める方法)を学ぶ

など様々なものがあります。

とりわけ、気分転換の方法を探すというのは有効なようで、借金やギャンブルをやめることだけに集中するのではなく、借金やギャンブルに代わる健全な趣味や娯楽を見つけることで依存症から抜け出せるという人もいるようです。

禁煙中の人が口さみしいときにガムを噛んで吸いたい気持ちを抑えるのと同じですね。
参考文献:ギャンブル依存症から抜け出す本 樋口進

内観療法では、患者さんは研修所に1週間ほどこもります。

そこで、自分の身近な人との関係を、お世話になったこと、お世話をして返したこと、迷惑をかけたことに絞って想起します。

そして1日8回、カウンセラーに内観した内容を報告します。周囲の人からの愛情に感謝できるようになると、本来の自分を取り戻すきっかけになります。すぐ効果が現れない場合もありますが、後から効果が出てくることもあります。

再発を防ぐ治療法

治療を受けて依存状態から抜け出すことができても、そこで「終わり」ではありません。


残念ながら再発してしまうこともあり、依存症から脱却した後「もう大丈夫だろう。」「少しくらいまたやってもいいだろう」と気が緩みやすい時期こそ気をつけなければなりません。

再発を防ぐためには、自助グループのミーティングに参加し続けたり、医療機関での手紙療法を受けることも有効です。

手紙療法は、医療機関から患者さんへ手紙を出し、治療後の経過をたずねます。そこで、もう一度依存症の怖さや治療を振り返ってもらうことで再発を防ぎます。

もし、その時点で再び借金やギャンブルに手を出しているようなら、問題が起きていなくても医療機関を受診することになります。

自助グループの探し方

自助グループへ参加したい場合は、医療機関から紹介してもらえる場合もありますが、そうでない場合や医療機関と自宅が離れていて自宅に近いところの自助グループに参加したい場合には自分で探すことになるかもしれません。


自助グループが近くにがあるかどうかについては、保健所や精神保健福祉センターが情報を持っている場合がありますので尋ねてみてください。

ギャンブラーズ・アノニマスなど、全国で活動している自助グループもあります。

<本人向け> GA 日本インフォメーションセンター
046-240-7279
電話応対は毎月第二土曜日と最終週の日曜日 11:00~15:00 です。
http://www.gajapan.jp/

<家族や友人向け> 一般社団法人 ギャマノン日本サービスオフィス
03-6659-4879
毎週月木曜 10:00~12:00(年末年始除・祝日対応)
http://www.gam-anon.jp/

他にも、自助グループではありませんが、本人や家族の相談に乗ってくれる支援団体もあります。

■公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会
03-3555-1725
http://www.gamblingaddiction.jp/

■NPO 法人全国ギャンブル依存症家族の会
090-1404-3327
http://www.gdfam.org/index.html

引用:ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ

自助グループが合わない人もいる?

なかには医療機関や自助グループに合わずに通うのをやめてしまうギャンブル依存症の方もいるようです。


医療機関に関しては、医師との相性もありますので、合わないと感じたら思い切って病院を変えてみることもいいと思います。全く通院できなくなるよりは、病院を変更して通院できたほうが健全です。

自助グループについては、「ギャンブル依存と生きる 家族、支援者と生きづらさを乗り越えるために」の著者である稲村厚さんは著書のなかで「確かな統計的な数字は明らかではないため私の感覚ですが、依存問題で悩んで相談機関に訪れる人の数と自助グループに参加し続けている人の数を比べれば...(中略)...自助グループにつながれないか、あるいはつながっても継続して参加できない人が圧倒的に多い」としています。

自助グループに参加するには「一時的にプライドという自己愛を削り落として針の穴を通るくらいのすさまじい覚悟がいります」と精神科医師の河本泰伸さんは著書の中で語っています。

自助グループに参加しても、「あの人達と自分は違う」という拒否反応が出たり、他の人の話を聞いて「自分はそこまでひどくない」と思ってしまうこともあるようです。

ほかにも、話すことが苦手な人が自助グループのミーティングに参加してもそれ自体が苦痛になってしまうこともあります。

こうした事実から、「自助グループに参加すれば依存症が治る、安心」「依存症なら自助グループに参加すればいい」と安易にはいうことができません。

なら、自助グループに行くことは無意味なのでしょうか?決して、自助グループに参加することが無意味だとは思いません。

仮に、本人が行きたがらなくても、家族が自助グループとつながりをもっておくことで様々な情報を得られることもあるでしょう。

ただ、自助グループに参加するということは本人にとってかなりハードルが高いことかもしれないということも知っておくとよいと思います。

借金依存症・ギャンブル依存症の方の家族ができること

本人が自助グループや医療機関へ通って治療をするのはもちろん大切ですが、 依存症に陥っている本人だけで治療を続けていくのが難しいことも事実です。依存症から立ち直るためには家族の協力が不可欠です。この章では、依存症の疑いがある方や依存症の患者さんを持つ家族の方ができることを説明していきます。

家族が依存症への理解を深める

家族としては1日も早く依存症から立ち直ってほしいと思うのが当然です。その気持ちが強いあまり、本人を説得したり叱ったり行動を監視したりしてしまうことがあります。


しかしこれではなかなか効果が出ないどころか、逆効果になってしまうこともしばしばあるようです。まず最初に家族ができることとしては、 本人を説得したりすることではなく、依存症という病気がどんな病気なのか、また依存症の患者さん本人がどのような状況に置かれているのかを理解することです。

依存症を正しく理解するには、家族教室に通ったり、医療機関に一緒に行くことも有効です。家族教室は、通院している医療機関で開かれる場合もありますし、自治体や精神保健福祉センターで開催されていることもあります。

CRAFTを利用する

患者さん本人へ治療を勧めたり、治療中に言葉がけをする場合、どのように言葉がけをすればいいのか戸惑うこともあると思います。


「CRAFT」は、「Community Reinforcement And Family Training」(コミュニティ強化法と家族トレーニング)の略称で、もともとは飲酒問題や薬物問題に悩む家族のためにアメリカで開発されたプログラムです。

借金依存症やギャンブル依存症もアルコール依存症や薬物依存症と似通った部分があるので、このプログラムを利用してみる価値はあると思います。

このプログラムでは、治療を受け入れやすい環境を作ることで本人に治療をすることを選択してもらい対立することなく治療を勧める方法や、本人とのコミュニケーションのとり方を学ぶことができます。

たとえば、「なんで(あなたは)またギャンブルに行くのよ!」という「あなた」を主語にした言葉掛けではなく「私はあなたがギャンブルに行くのが悲しい」という「わたし」を主語にした言葉がけにすると喧嘩になりにくくなりますし、「あなたはもう依存症よ!病気よ!病院へ行きなさい!」というのではなく、「私は専門家にアドバイスをもらったほうがいいと思うから、一緒に行ってみない?」といった提案のほうが受け入れられやすいといったコミュニケーションのコツを知ることができます。

このプログラムは、家族自身が楽になれることも目的としていますので、つらいと感じたときや本人のために何かをしてあげたいと思う方は実践してみるのもよいと思います。

CRAFTを実施している医療機関を探すには、こちらのURLからお近くの医療施設のページを開き、「提供プログラム」の「CRAFT」のところにチェックが入っているかどうかを確認してみてください。

近くにCRAFTを提供している医療機関がない場合や、まずはあまり費用をかけずにやってみたいという場合は本を使って自分でやってみるのもいいですね。


借金への対処はどうしたらいい?

借金依存症やギャンブル依存症が重症化していると、多重債務を抱えていることも。


借金問題で大切なのは「家族が肩代わりしないこと」です。だからといって、借金問題をほうっておくことも間違いです。

この章では、本人自身が借金問題と向き合えるようにしながら家族も一緒に借金問題の解決へ向けて進んでいけるように方法や相談機関をご紹介します。

家族が借金を肩代わりしてはいけない理由

借金があることがわかると、早く返さなければ...という焦りや、借金を返してあげることで本人が反省して立ち直ってくれるかも知れないという期待が出てくるかも知れませんが、たとえ家族が完済できる金額であっても借金を肩代わりしてあげることはしないでください。


その理由は、借金が片付くことによってまた借金やギャンブルがしやすくなる環境が整ってしまい、再発したり治療がうまく進まなくなる可能性があるからです。

同じ理由で、すぐに債務整理を行うことも本人が借金問題と向き合う機会を奪ってしまうことになりかねません。

借金問題については、担当医師や所属している自助グループのスタッフの意見も聞きながら専門家の治療方針とズレのないようにタイミングや方法などを決めていきましょう。

また、借金依存症やギャンブル依存症の方の借金を肩代わりするように、本人のために良かれと思ってやるこが逆効果になってしまうことを「イネイブリング」といいます。そのように逆効果への手助けしてしまう人をイネイブラーといいます。

イネイブラーは、自分が良かれと思ってやっていることが本当はよくないことなんだという自覚はあるものの、共依存の状態になっていてやめられないということがあります。

もし、そのような自覚がある場合や、医師などから指摘を受けた場合は、イネイブラーである家族も一緒に治療することになるかもしれません。

正確な借金の金額を把握する

返済計画を立てるためにも、借金の正確な金額を把握する必要があります。本人に聞くだけではわからないものもあります。


一般的な銀行や貸金業者からの借金はわかりやすいですが、友人や知人、ギャンブル仲間など家族が知らない人からの借金や、家族に無断で会社の退職金などを受け取っている場合もあります。

また、子供のためにためていた教育資金などにも手をつけていないか調べる必要があります。

もし、違法な貸金業者(いわゆる闇金)から借りている場合は、闇金問題を扱っている弁護士へ相談する必要もでてきます。

借金の正確な金額が把握できたら、本人が働いて返済するということを前提に返済計画をたて、家族はそのためのサポートをするという体制を心がけましょう。

自己破産など債務整理が必要な場合は専門家に相談

また、家族が本人をサポートしても借入額があまりに多すぎて到底返せない金額である場合も、司法書士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。


返済が難しい場合は、自己破産や債務整理を行うことで借金問題を解決します。

債務整理は、一定の返済能力が認められる場合に行うことができます。


払いすぎたお金を戻してもらう過払い金の請求や、金利の見直しなどを交渉することによって月々の返済額を減額し生活に支障のない範囲で返済ができるようにする任意整理や、借金を減額してもらい返済していく個人民事再生などの方法が用意されています。

個人民事再生では家などの資産を維持したまま借金の整理をすることができます。

自己破産は、返済能力がないと判断された場合に行うことができます。家などの資産は売却する必要がありますが、借金の返済義務が免除されます。

借金問題を相談する窓口

内閣官房、警察庁、金融庁、消費者庁、法務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省からのお知らせに記載されている借金問題を相談する窓口をご紹介します。


■消費者ホットライン 「188(いやや!)」(局番なしの3桁番号)
どこへどのように相談してよいか分からないときに電話しましょう。最寄りの市区町村の消費生活センターや消費生活相談窓口など適切な機関を案内してくれます。相談できる時間帯は、相談窓口により異なります。
http://www.caa.go.jp/region/shohisha_hotline.html

■多重債務者向け無料相談窓口(各地方ブロックの財務局内)
専門の相談員が借入の状況などを聞いた上で必要に応じて専門家を紹介してくれます。
http://www.fsa.go.jp/soudan/index.html

■法テラス・サポートダイヤル
法的トラブルでお悩みの方の問い合わせに応じて、法制度や相談機関等を紹介してくれます。
0570-078374
IP 電話からは 03-6745-5600
平日 9:00~21:00 土曜日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)
http://www.houterasu.or.jp/

■公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会
クレジットなどを利用して借金の問題を抱えた方に無料で電話相談やカウンセリングを実施しています。希望により、無料で債務整理や家計管理の改善を支援しています。
0570-031-640
月曜日~金曜日 10:00~12:40、14:00~16:40(祝日・年末年始(12/28~1/4)を除く)
http://www.jcco.or.jp/debt/hotline/

■日本貸金業協会
貸金業法に基づいて設立された自主規制機関であり、貸金業に関連する借入や返済の相談に対して、公正中立な立場からカウンセリングや家計管理の支援をしています。
0570-051-051
月曜日~金曜日 9:00~17:00(祝日・年末年始(12/29~1/4)を除く)
http://www.j-fsa.or.jp/personal/contact/index.php

■全国銀行協会カウンセリングサービス
返済に困っている個人を対象にカウンセリングサービスを実施しています。
050-3540-7553
予約日時 月曜日~金曜日(祝日・銀行の休業日を除く)、午前9時~午後5時
(予約必須)
相談日時 月曜日、火曜日、木曜日 10:00~12:00、13:00~17:00
水曜日、金曜日 10:00~12:00、13:00~19:00
(祝日及び銀行の休業日を除く。)
https://www.zenginkyo.or.jp/adr/counseling/

引用:ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ

弁護士や司法書士を自分で探すには?

弁護士などに依頼したい場合は、市町村など自治体の無料法律相談を利用する方法もあります。広報などに相談先が載っている場合もありますので、チェックしてみてください。


債務整理や自己破産については、基本的には弁護士に相談することになりますが、一部の手続きについては司法書士でも可能になっています。

もし、自分で弁護士や司法書士を探す場合は次の情報を参考にしてみてください。

■弁護士会(各地の弁護士会相談窓口)
各地の弁護士会で法律相談を受け付けています。相談できる時間帯などは、地域により異なります。
https://www.nichibenren.or.jp/contact/consultation.html

■各地の司法書士会一覧
各地の司法書士会で法律相談を受け付けています。相談できる時間帯などは、地域により異なります。
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/shiho_shoshi_list.php

引用:ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ


「借金問題の解決=依存症からの脱却や本人の価値」ではないことに注意

借金依存症やギャンブル依存症の患者さんの中には、多額の借金をして、多額の返済ができている自分自身に対して価値を感じている(自信を持っている)方もいます。

そうした方が、返済不能となり債務整理や自己破産となると、自分は価値がない人間になってしまったんだと空虚な気持ちになり、その気持から逃れるためにまた借金やギャンブルに手を出してしまう可能性もあります。

反対に、完済できたとしたら「やはり自分は多額の返済ができるんだ」という過信を招き、この場合もまた借金やギャンブルを繰り返すことになってしまうかもしれません。

借金を自力で返済できても、できなくても、そのことは本人の価値とは全く関係のないことだと本人に伝えてあげる必要があります。

また、家族の方も借金問題が片付くと回復に向かっているような感覚をおぼえるかもしれませんが、借金問題が片付いたいからといって本人の依存症が治ったというわけではありませんので借金問題の解決と病状の回復は別物であるということを覚えておきましょう。

借金ができなくする方法

借金を繰り返さないためには、借金をできなくする環境を整えることも大切です。


日本貸金業協会では、生活に支障を生じさせるおそれがあることなどの理由があれば貸付自粛制度に登録することができます。自粛対象者は、貸金業者に対し金銭の貸付を求めてもこれに応じてもらえなくなります。

ただし、申告して登録することが必要です。登録が行えるのは本人か法定代理人となり、家族や配偶者は登録することができません。

登録料は無料で、事前に電話して来所するか郵送によって登録可能です。

登録したい方はこちらを御覧ください。

また、ギャンブル等依存症対策態勢整備によって、日本貸金業協会と一般社団法人全国銀行協会は、2019年3月29日から連携して貸付自粛制度を実施しています。

このことにより、従来の登録先である(株)日本信用情報機構(JICC)(株)シー・アイ・シー(CIC)だけでなく全国銀行個人信用情報センターにおいても、貸付自粛情報が登録されることになります。

お金を貸してくれる貸金業者や銀行などの金融機関は、ほぼかならずこのどれかに加盟しているので、借金しにくい環境をつくるという意味では、貸付自粛制度の利用はかなり有効だと思います。

借金依存症・ギャンブル依存症「まとめ」

借金依存性やギャンブル依存症は、本人がなかなか病気であると自覚しづらいため家族が先に解決に向けて動き出すことも多いと思います。


そこに借金や多重債務問題があると、どうしてもそちらを早くなんとかしなければ...と思ってしまいがちです。

確かに、借金問題を整理することは大切ですが、その前に借金依存症やギャンブル依存症について正しく理解して、治療の妨げや再発につながるようなことにならない返済方法や整理方法を選択する必要があります。

借金依存性やギャンブル依存症は、一筋縄ではいかないことも多いと思いますが、様々な専門家や相談機関に支援を受けながら解決へ向けて進んでいきましょう。

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